社会人ドールマスク
第1話 「五反田の仮面舞踏会」
22歳の社会人・りさ(黒髪セミロング、168cmの長身細身美女)は、毎日のオフィスワークに息苦しさを感じながら、唯一の逃げ場であるドールマスクとコスプレに没頭していた。
ある夜、疲れた体をベッドに投げ出しながら社会人イベントサイトを漁っていると、ひっそりと非公開で募集されていた一文が目に飛び込んできた。
「東京・五反田 社会人限定・ドールマスクナイト」
「これ……本物?」
心臓が早鐘のように鳴った。りさはすぐにDMを送り、参加承認のメッセージを受け取った。今週末。
土曜の夜、五反田の古いビルの地下スタジオへ向かう。外は雨が降り始め、ネオンが濡れたアスファルトに滲む。エレベーターを降りると、黒いドアの向こうから低く響く電子音楽が漏れていた。
受付でマスクを受け取り、控室の鏡の前に立った瞬間——りさは息を飲んだ。
マスクを被った瞬間、ずっと夢に見ていたドールマスクをようやく自分の顔に被っていることに、胸の奥が熱くなった。完璧に造形された白い陶器のような表面、光を反射するガラスの瞳。セミロングの黒髪をすっぽり隠し、168cmの長身がさらに神秘的に見える。
「これが……私」
会場には同じく社会人の男女が10人ほど。ルールはシンプルだった。匿名。声を出しても自由。触れ合いすら許される。
誰もがマスクの下で素顔を隠し、普段の自分を脱ぎ捨てている。りさは壁際に立ったまま、初めて味わう「誰でもない自分」の快感に背筋がぞくぞくと震えた。
特に、全頭マスクの男性(通称“K”)と目が合った瞬間、りさの心臓が大きく跳ねた。
Kのマスクは真っ黒で、表情が一切読めない。ただ、鋭い視線だけがガラス越しに刺さってくる。
ここから、彼女の日常は静かに、しかし確実に崩れ始めていた。
